住まいの法律を知る

不動産を取り巻く法律や規制などは、数多くあります。
安心して不動産の取引をするために、知っておきたい主な法律や規制などを紹介しています。

9.住宅の契約不適合(欠陥など)に関する法律

2020年4月の民法改正で、これまで「瑕疵(かし)担保責任」と呼ばれていたものが、「契約不適合責任」という名称に変わりました。住宅の売買契約における契約不適合責任とは、引き渡された住宅が「種類、品質、数量」に関して契約の内容に適合しない場合に、売り主が買い主に対して負う責任のことで、債務不履行により生じる責任のひとつです。契約不適合責任については、次のような法律で定められています。

民法(法務省)

改正民法では、住宅の売買における売り主の契約不適合責任について、契約の内容に適合しない住宅を引き渡した場合、買い主は補修の請求や売買代金の減額請求、損害賠償の請求、契約の解除ができると定められています。なお、民法では、売り主が契約不適合責任を負わせるには、買い主がその不適合を知った時から1年以内に売り主に通知しなければならないとしています。

宅地建物取引業法(国土交通省)

宅地建物取引業法の規制により、宅地建物取引業者は、自ら売り主となる契約においては、契約不適合責任を2年以上負わなければいけません。この規定は民法の規定に優先するため、この制限に違反する契約条項は無効となります。

住宅の品質確保の促進等に関する法律(国土交通省)

住宅の品質確保の促進等に関する法律は、住宅の品質確保の促進や、住宅購入者等の利益の保護、住宅にかかわる紛争の迅速かつ適正な解決を図ることなどを目的として定められた法律です。具体的には、新築住宅の売り主などに10年間の瑕疵担保責任※を負うことを義務づけるとともに、住宅の性能の表示基準や、住宅性能評価を受けた住宅にかかわる紛争処理を円滑に行うための体制についても規定しています。略して「品確法」と呼ばれることがあります。

※同法では「瑕疵担保責任」と言っていますが、改正民法の「種類、品質に関する契約不適合責任」のことです。

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(国土交通省)

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律は、新築住宅の売り主などが、住宅の品質確保の促進等に関する法律で規定されている10年間の瑕疵担保責任※を確実に履行するための規制が設けられています。具体的には、新築住宅の売り主などに対して、保険加入または保証金の供託(積み立て)を義務づけています。これによって、新築住宅の売り主が、倒産などにより瑕疵担保責任※を負うことができない場合でも、住宅の補修などの費用について、保険会社に請求または供託金の還付請求を行うことができます。

※同法では「瑕疵担保責任」と言っていますが、改正民法の「種類、品質に関する契約不適合責任」のことです。

※掲載情報は【不動産ジャパン】外部サイトへサイトより転記しています。