定期借家契約は新しい契約形態
賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。今回は定期借家契約の特徴を中心に述べていくことにしましょう。
定期借家契約は、借地借家法の一部改正によって2000年3月から施行された新しい形の借家契約です。
広い住まいを割安に借りたい人に有利
まず、定期借家契約によって供給されている賃貸物件の特色をみていくことにしましょう。
大阪大学の大竹文雄氏と山鹿久木氏による『定期借家権制度が家賃に与える影響』という研究論文によると、家賃が割安で、比較的床面積が広いファミリー向けが多いという傾向が浮き彫りにされています。
定期借家として供給されている物件の床面積の平均は、普通借家が45m2前後であるのに対して65〜70m2と広めです。また、分布では50m2未満のものが少なく、50m2前後から急激に多くなるという傾向があります。
家賃については、50m2未満では普通借家の物件とほとんど差がないのに対して、広くなるほど割安となっています。床面積が70m2であれば普通借家に比べ約10%、100m2では約25%低くなっています。
広めの住まいを探している方には、適した契約形態ということができるでしょう。
契約期間が満了すると契約更新はできない
さて、定期借家契約の最大の特徴は「契約更新ができない」点にあります。
普通借家契約では契約期間が満了しても、実質的に借主が契約の打ち切りを申し出ない場合は自動的に更新されます。
対して定期借家契約では更新がないので、継続してその物件を賃貸借する場合は新たに契約を結び直す必要があるのです。
つまり、普通借家契約で賃貸物件を借りた場合は、契約期間のいかんに関わらず、特別な自由がない限りずっと住み続けることができるのに対して、定期借家契約では契約期間が満了すると退去する必要があるのです。
これを貸主の立場からみると、契約期間が満了すると確実に退去してもらえるので、自宅などを貸しても安心感があるといえるでしょう。たとえば転勤などで自宅が空き家になる場合、「2年間限定で貸したい」ということが可能となるのです。
定期借家契約と普通借家契約の主な違いを別表にまとめましたので、参照して自分たちのライフスタイルに合った契約形態を選んでください。